中耳で起こる病気として中耳炎があり、大きく分けて
➀急性中耳炎
②滲出性中耳炎
③慢性中耳炎
の3種類があります。
急性中耳炎は、鼻やのどの炎症を起こした細菌やウィルスが、『耳管(じかん)』
を通って中耳に入り、感染することによって起こります。この病気は、生後3ヶ月頃
から6歳頃までの小さなお子さんに多い病気です。子どもの場合、耳管は太く短いだ
けでなく、耳と鼻を水平につないでいるので、鼻水に含まれている細菌やウィルスが
中耳に入り、急性中耳炎を起こしやすくなります。
「症状」
耳が痛い・耳だれ・発熱・難聴・耳がつまった感じ
「治療方法」
➀薬物療法
細菌の増殖を抑える働きのある抗生物質が使われます。
②鼓膜切開
中耳に膿が充満し、鼓膜が赤く腫れ、耳の痛みが強い場合は、鼓膜を少し切って膿を出す処置(鼓膜切開)を行うことがあります。
Q.鼓膜を切って、聞こえが悪くならないの?
A. 急性中耳炎で中耳に膿がたまると、鼓膜の動きが悪くなり、聞こえも悪くなります。
しかし、鼓膜切開を行って中耳の貯留液を除いてあげることによって、逆に聞こえが良くなり、多くの場合は痛みも和らぎます。
鼓膜切開によってできた穴は、ほとんどの場合、炎症が治まれば自然にふさがります。
Q. 急性中耳炎を繰り返すたびに鼓膜切開をしても大丈夫?
A. 1回~数回の鼓膜切開で、鼓膜に後遺症が残ることは通常はありません。
「対策」
風邪をひかないことが一番ですが、鼻水やのどの痛みが続き、耳に異変を感じたら、早めに耳鼻科を受診することをおすすめします。
また、正しい鼻のかみ方が重要です。R6.10月のコラムを参考にして下さい。