スタッフコラム

3月のテーマ:耳の病気と治療方法 ~中耳 ②~

②滲出性中耳炎とは?

滲出性中耳炎とは、中耳で作られた分泌液(滲出液)が上手く排出されずに鼓膜の奥の鼓室に溜まる病態で、耳と鼻をつなぐ耳管が正常に機能しなくなることで起こります。



「症状」
子ども:聞き返しが多い・耳をよくさわる・テレビの音が大きい・呼んでも振り向かない
大 人:難聴・耳がつまった感じ・自分の声がひびく

「治療方法」
滲出中耳炎は耳の治療だけでは治りません。中耳炎の原因となっている鼻やのどの病気に対する治療を併せて行います。

➀薬物療法
鼓膜の変化も軽く、聴力もそれほど悪くない場合はお薬で経過をみます。

②鼓膜切開術
➀の治療で軽快しない、又は悪化がみられた場合は、鼓膜を小さく切開して、溜まった滲出液を取り除く処置を提案する場合があります。
1回の切開で治らない場合、数回切開を繰り返すこともあります。

③鼓膜チューブ挿入術
②の治療を行っても再発を繰り返してしまう場合に行うことがあります。
切開した穴がしばらくの間閉じないように、直径1㎜ほどのチューブを鼓膜にいれ、鼓室内の換気を促します。

「対策」
➀鼻やのどに炎症をおこさないようにしましょう。
②風邪をひいてしまったら、出来るだけ早く治療を開始して、咳や鼻水を長引かせないようにし、特に小さなお子さんの場合は、早期発見・早期治療を心掛けましょう。